眼瞼手術
眼瞼手術について
まぶたのことを眼瞼と言います。まぶたの病気というのは、いくつかありますが、当院では、眼瞼下垂や霰粒腫については、今後眼瞼専門医による診察、適宜手術加療を行っていく予定です。
眼瞼下垂
眼瞼下垂とは、瞼(まぶた)が垂れ下がってしまうことで瞼が上がりにくく(目が開きにくく)なる状態を言います。その開きにくさというのは、黒目の上部にまぶたがかかっている軽度なものから、黒目のほとんどが隠れてしまう重度のものまで、その程度は患者様により様々です。なお、この症状は、片目だけでも両目でもどちらの場合でもみられます。
このような状態は、「眠そうな目に見える」「目つきが悪くなる」「目が小さく見える」などの見た目の問題だけでなく、視界が悪くなり、無意識のうちに眉を上げて物を見るようになることから、肩こりや頭痛、眼精疲労、めまいなどを引き起こすこともあります。
なお原因については、先天性と後天性があり、後者では加齢により瞼を持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋:がんけんきょきん)の付着部(腱膜部)が伸び、持ち上げる力が低下することで、瞼が下がるということが多く見受けられます。このほか、コンタクトの長期装用(とくにハードコンタクトレンズ)や白内障など眼の手術後に生じることがあります。
治療について
瞼が垂れ下がっていることで、目が見えにくい場合など日常生活に支障をきたすようであれば、手術加療が必要となります。
麦粒腫
一般的にはものもらいと呼ばれているもので、医学用語では麦粒腫と言います。これは、黄色ブドウ球菌など細菌による感染が原因とされ、瞼の縁や内側に炎症が起きている状態のことです。疲労時など身体の抵抗力が落ちているときや、コンタクトレンズの長期装用の場合も起こりやすくなります。主な症状は、かゆみや赤み、痛みが瞼の縁や内側に出るほか、その中心には白い点のある腫れもみられます。なお、コンタクトレンズが原因でものもらいが起きた場合は、その使用を控えるようにしてください。
治療について
治療については、抗菌薬を含んだ点眼や軟膏を使用しますが、化膿が強い場合は膿を出すための手術として切開を行うこともあります。
霰粒腫
霰粒腫は、まつ毛の根元にあるマイボーム腺に脂肪が溜まることが原因で起きる疾患です。まぶたにしこりを感じます。
主症状ですが、慢性期には痛みが出ることはありませんが、炎症(細菌感染による化膿)を起こすと痛みを伴うようになります。その場合は、化膿性霰粒腫と呼ばれます。このような状態は麦粒腫(ものもらい)との区別がつきにくいので、正確な診断による適切な治療を受けられるようにするためにも眼科をご受診ください。
治療について
化膿性霰粒腫の場合、抗菌薬の内服や点眼を行います。慢性期の霰粒腫で、角膜を圧迫している、炎症が長引いている、美容的に気になるなどの場合は、切開手術(霰粒腫切開術)になります。切開については結膜側、もしくは皮膚側から行います。皮膚側から切開を行う場合は二重のライン上で行うなど目立ちにくい場所から行います。手術時間はおよそ20分から30分程度です。